第9回 仕事のルビー 働くサファイア~働く私を動かした言葉や出来事~ 入選作品発表


《色とりどりの花束の中に》が キラリしごと大賞 に!
第9回 「仕事のルビー 働くサファイア」~働く私を動かした言葉や出来事~ 入選作品発表


当NPOでは、「仕事とキャリアのアーカイブ構築事業」として、職業キャリアに関する250字の投稿企画である第9回「仕事のルビー 働くサファイア ~働く私を動かした言葉や出来事~」を募集し、応募作品 249 点の中から入選作品 4点を決定しましたので発表いたします。

【募集概要と応募結果】についてはこちらをご参照ください。

■キラリしごと大賞 ペンネーム あさだ りな 様 関東在住 30歳代

「色とりどりの花束の中に」

「どんな花束をご希望ですか?」恐らく初めてお花屋さんに足を踏み入れたであろう高校生くらいの男の子に声をかける。「あ、彼女にプレゼントしたいんですけど、こんな感じのイメージなんです。」と、わたしにスマホの画面を見せてくれた。
てっきり、花束のイメージ写真だと思って覗いたら、そこにはにっこりとほほ笑む可愛らしい女の子の姿が。
以来、わたしは希望のお花の色だけでなく、渡す人の雰囲気やイメージ、思い出などをより詳しく聞きながら花を束ねている。
花束を抱え、喜んでくれる姿をお客様と一緒に思い浮かべながら。

<ご本人コメント>

そりゃ宝くじが当たれば仕事辞めたいなと思うし、長期休み明けの仕事はなんだか憂鬱。でも、仕事をしているとキラリと小さな嬉しい出来事がある。そんな一瞬で、些細なご褒美に気がつけるよう、前向きに。日々の仕事をがんばろうと思います。このたびは素敵な賞に選んでいただきありがとうございました。

■ルビー賞 ペンネーム しこ 様 関東在住 30歳代

「見てる、知ってる、覚えてくれてる」

高校から大学までオーストラリアに留学していた。就職後初めての年末休み、初めての里帰り。学生時代、長期休みの度に日本とオーストラリアを行き来するとき、入国カードの職業欄は、当然毎回「STUDENT」。だから今回初めて書いた、「TRANSLATOR」。メルボルン空港で何年も往来の番人を務める、陽気な入国審査官は、入国カードを見るなり、「おお、翻訳者か!仕事始めたのか!おめでとう、いい仕事だなあ、良かったなあ!」。そう言いながら、私のパスポートを開き、入国印をガシャンと押した。ウィンクまでつけて。

<ご本人コメント>

この度は、ありがとうございました。幼い頃からずっと、人生の中で、私が望む道を歩めるように私を支えてくれる人たち、頭を下げてくれる人たち、私を信じてくれている人たちがいるのだから、そのお気持ちに報いるように、恥ずかしくないように力を尽くそう、と思ってきました。いやしかし、まさか、里帰り先の就職祝い、第一号が入国審査官って!思いもよらないところでずっと見てくれている人がいたのだ、と背筋が伸びました。あの審査官のおじさま、元気かなあ。

■サファイア賞 ペンネーム 天琳 様 関東在住 40歳代

「心の「間」を大切に」

「焦っても手は二本、頭はひとつ。落ち着いていこう。」
単純な言葉だけど、ふっと一瞬手を止め、心と頭に「間」をもつことが出来る言葉。
ある営業所で働いていた時に先輩がかけてくれた言葉です。立ち上げたばかりの営業所で、上司や営業マンは業務外のことも含め、全て女性陣に丸投げのスタンス。事務員は先輩と私の二人だけ。「心に風邪を引かないよう、助け合おうね」と言って、いつも難しい案件はこっそり引き受けてくれた方でした。大変でもそんな先輩の右腕になりたいと思えたあの時間は今でも私の誇れる思い出になっています。

<ご本人コメント>

入賞のお知らせをいただいた時、嬉しさとともにあの頃支えてくれた先輩へのお礼を今やっと届けることができた気がしました。お礼の気持ち、そして今私自身が同僚や後輩に対して心がけていることを伝える機会をいただけたことに感謝しています。本当にありがとうございました。
心の「間」を大切にし合える関係や環境が今よりもっと広がっていきますように。

■ガーネット賞 ペンネーム つぶあん 様 関東在住 30歳代

「仕事のプロ」

1年前、夫が双極性障害で倒れ休職となった。復帰しても安定せず、ポロポロこぼれ落ちて行く「今までできていた仕事」を懸命に拾い集める彼を見て、陰で泣いた。同じ業務が難しいと判断された彼には最近、新しい仕事ができた。倉庫の整理整頓、みんなが雑務と呼ぶような仕事だ。けれども今、彼は生き生きとしている。おざなりにされてきた倉庫の管理方法を統一・ルール化したことで倉庫の状況が一変し、感謝されているのだそう。「誰にでもできる仕事」を「誰にでもできない仕事」に仕上げる彼は、仕事のプロだなと背筋が伸びた。

<ご本人コメント>

この度は、このような賞をいただき誠にありがとうございます。 夫が病気になってからというもの予想外の連続で、働くため・生きていくための壁に何度もぶつかり、長い間病気の波に揉まれてきました。双極性障害に限らず、病気は必ずしも「休めば治る」ものではありません。「薬を飲めば大丈夫」でもありません。本人も周囲も、元には戻れないことを受け入れるのに長い時間が必要だったと思います。拙い文章ではございますが、たくさんの方に助けていただきながら働き方を学んでいった夫の姿を少しでも伝えられていれば幸いです。

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