第6回 仕事のルビー 働くサファイア~働く私を動かした言葉や出来事~ 入選作品発表

《努力に勝るもの》が キラリしごと大賞 に!
第6回 仕事のルビー 働くサファイア~働く私を動かした言葉や出来事~ 入選作品発表

当NPOでは、「仕事とキャリアのアーカイブ構築事業」として、職業キャリアに関する250字の投稿企画である第6回「仕事のルビー 働くサファイア ~働く私を動かした言葉や出来事~」を募集し、過去最多の応募作品568点の中から入選作品5点を決定しましたので発表いたします。

【募集概要と応募結果】についてはこちらをご参照ください。
http://www.career-ken.org/20210621_RubySafa.pdf

■キラリしごと大賞 ペンネーム オノカオル 様  関東在住 30 歳代

「努力に勝るもの」
才能がなければ努力するしかない。そう自分に言い聞かせてやってきた。それでも勝てない相手がいた。
報われない努力は努力とは呼べない。そんな言葉も見つけた。だからもっともっと努力した。それでもその相手には叶わなかった。
あいつと自分と、何がそんなに違うんだろう。答えはもうすぐ定年を迎える上司から貰った。『顔だよ、顔。』とその上司は言った。
『お前はしかめ面、あいつは笑顔。努力は夢中に勝てないってことだ。』
その言葉で、自分は仕事を変えた。人生が変わったのはそれからだ。

<ご本人コメント>
文化祭の準備をしていると、もう夜中なのにまったく眠くなかったことを思い出しました。
サッカーに明け暮れていた頃は、暗くなったのに気づかないくらいに没頭していたこともありました。1歳になった息子は毎日一心不乱に遊び、昨日できなかったことが今日できるようになっています。
“仕事はそんな綺麗事では済まされない”と十二分に理解した上で、それでも。
一日の半分以上をそれに費やすのだから、最後はしっかり笑っていたい。
そんな想いが今回の文章を書かせてくれたように思います。
ありがとうございました。今日も頑張って働きます。

■ルビー賞 ペンネーム みとこ 様 関東在住 30 歳代

「つながる、やさしさ」
コロナ禍の昨今、病棟勤務と言うだけで距離を取られる。
それだけならまだしも娘の保育園からはまさかの登園拒否。
何だかまるでバイキン扱い。もう何もかも嫌になった。
だけどこの前娘がマスクをしていないお年寄りに自分の予備のマスクを渡すのを見た。周囲はその男性をよけていくというのに。
そんな娘の行動を見て、自分のやってきたことは間違ってなかったんだと思った。
ネガティブな印象ばかりが目立つナース。だけど私の仕事は目立つじゃない。
役立つんだ。そんな思いを強固にした出来事だった。

<ご本人コメント>
この度は大変素晴らしい賞をありがとうございました。何よりこの賞を娘に贈りたい。そんな気持ちです。コロナ禍となって一年弱。未だにホッとできない日々を過ごしています。現場の人手不足は深刻で、自分たちもいつコロナに罹患してもおかしくないような状況です。しかしそんな中でも主人や子ども達のおかげで今も看護師として胸を張っていられる気がします。人手不足も深刻ですが、いつか「あの頃な」と笑い合える日を信じて、これからも頑張っていきたいと思います。

■サファイア賞 NGUYEN THI LY (グエン ティ リー)様 中部在住 20 歳代

「いろんな日本語」
「あなたは外国人だから、日本人に代わって!」、お客様に言われました。
私は話しているとベトナム語のなまりが出てしまいます。
なんで日本人じゃないとダメなの?日本に5年も住んでるのに、認められなくて、胸が苦しかったです。その時、同僚にこう言われました。
「あなたの日本語によって、この国で頑張っている外国人がたくさんいることを伝えています」。この言葉で私が日本にいる意味、そしてしなければならないことが、わかったような気がしました。

<ご本人コメント>
「選定していただき、誠にありがとうございました。
入社一年目の時、帰りの電車中で「帰国すれば全て解決できる」と思いながら何度も静かに涙を流しました。
倒れそうだった私。「もう限界」と「もう少しだけ」の間で常に悩んでいました。
あの時、もし日本で頑張る意味が分からなければ、今の自分はどうなっていたでしょう?
支えてくれた職場の仲間に感謝を込めて、日々明るく働いて成長し続けることを決めました。
皆さんの周りに外国人のお友達がいらっしゃいましたら、「日本語の壁」につぶされないように「頑張る意味を与えてあげてください。」

■ガーネット賞 ペンネーム もりりん 様 関東在住 40 歳代

「つながり」
心臓に疾患があり、ヘルプマークをつけて電車通勤をしている。
ただ一日だけステッカーを忘れてしまった日がある。
案の定途中で胸が苦しくなり、助けを呼ぶにも車内は混雑。
私がつり革を強く掴んだその時だった。
ランドセルの少年が「ぐあいのわるいひとがいます」と声をあげてくれた。
その後車内の方の厚意により、事なきを得たが、私は感謝でいっぱいになった。
人がつながり、やさしさがつながる。
ステッカーでなく、人の顔をしっかり見てくれる人がいる。
そんな日本なら、この先も、きっと、働きやすいと確信した。


<ご本人コメント>
受賞のご連絡を頂いたときは喜びと同時に、感謝、でした。私のように見えない疾患のある者は、秘かに誰かの手助けを必要としています。今もこうして働きに出られるのは皆様の気づかいのおかげです。最近はどこへ行っても「何かできることがありますか」と声をかけてもらえることが増えました。スーパーやエレベーターでもそうです。荷物を持って下さる方や案内をして下さる方もいます。本当にありがたい限りです。そんな方々へのお礼の気持ちも込めて、ここに感謝の意を表したいと思います。本当にありがとうございました。

■ガーネット賞 ペンネーム Sei17 様 九州・沖縄在住 40 歳代

「手話教えてください。」
ろう者であり、教員をしています。
かつての勤務校、ろう学校とは違い、「声」だけであふれる中学校。
コロナ禍でのマスク、いつ話しているかわからない。でも、一人ひとりの顔や目、
表情を見てできることをしていこうと心に決めた。
ある日、「手話」のことを話せる日がやってきた。それは、道徳の授業。
その後、生徒達から「手話教えて下さい。」と教室にやってきた。
また、朝も手話で挨拶。休み時間、放課後も手話で話したくてやってくる生徒。
いつのまにか、手話の魅力が伝わっていく。
生徒達の勇気と優しさに感動して、明日も頑張れる。


<ご本人コメント>
今回の応募は初めてです。素晴らしい「ガーネット賞」を受賞できたこと、大変驚いています。
職場では、大規模校でもあり試行錯誤しながら働いており、私なりにコロナ禍の中、思いを文章にしてみました。ガーネットの意味は、「生命力・情熱・実り」。まさに、手話でコミュニケーションを楽しむ生徒の情熱を感じて、感動し胸が熱くなったこともあります。実らせていくものを大事に希望をもって前に進みたいと思います。受賞が公表される日、生徒にサプライズプレゼントと感謝の気持ちを伝えたいと思います。本当にありがとうございました。



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